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尾州の地で創業70年。 時代の変化を柔軟に受け入れ、新しい価値を模索し続けて今の松希があります。

1947年に創業し、松希の先人たちは戦後の「ガチャマン景気」*と呼ばれる繊維業界の黄金期をこの尾州の地で歩んできました。やがて高度経済成長期を経て、市場を分析した生地企画や顧客へのデリバリーを充実させてきました。
国内の生地にとらわれず、イタリアや英国など世界中のトップクラスのメーカーやミル*を相手に時代が求める最高の生地を模索してきたわたしたち。その経験値や築き上げてきた信用は松希という会社の財産となり、今や日本全国に広がった”松希ファン”たちへと最高の生地を届けています。

20世紀末、インターネットの登場により急速に社会はグローバル化しました。現代ではクラウドサービスがコンピュータに触れた時から当たり前に存在するような時代。サービスも概念も物事が多様に変化する中で、わたしたちもまた、新しい松希へと変化する黎明期を迎えています。

わたしたちは、未知の領域は新しい価値を生み出す可能性を秘めた魅力的なフロンティア領域と考えます。そして、社員の一人ひとりが開拓者であるべきと考えます。
先人から受け継いた「商人」としての熱い魂を胸に、でも見た目はとびきりスマートに。世界を股にかけて仕事をする尾州の商人の後継、それがわたしたちです。

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事業内容

幅広い「繊維業界」の中でも、松希では主に紳士服地をメインに取り扱っています。
糸や織物の豊富な知識と経験をもとに企画段階から携わった生地を海外・国内から仕入れ、日本全国の百貨店・アパレルメーカー・オーダースーツショップに卸しています。ミラノで毎シーズン行われる世界規模の生地展へ参加し、グローバルトレンドの傾向も把握したうえで日本市場に落とし込みます。顧客のアパレルデザイナーとの打ち合わせにより、ブランドコンセプトや商品アイテムに応じた生地の提案を行います。また、高いクオリティーの生地を提供するために生地全般の専門的な知識を磨き、国内の生地検査機関との連携を密に行っています。
デリバリーにおいては最短10cmから反物まで、オーダーに対して丁寧・迅速に手配し日本全国に出荷しています。春夏シーズンと秋冬シーズンの年に2度、オーダースーツ作成時に使われる生地選び用のバンチブック(生地見本帖)をリリースしています。1000種類にのぼる生地からブランド・テーマ別に作成される約30種類のバンチブックは、全国のお客様から高い評価を得ています。


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物心ついた頃から実家で家業を行なっていた幼少期。当時の数名の従業員たちとは日々寝食を共にし、彼等のライフイベントも他人事ではなく身近なものとしてありました。 従業員や出入りの業者、普段から誰かしらが視界に居る中で、子供心に商売や人間というものの原型を捉えていたかもしれません。

「人より早く経験して早く卒業しろ」というのは自身の代で生地の卸売を創業した父の言葉です。 私自身は社会に出る頃にはその2つも3つも先を行く性分のため、言動も行動も全くの規格外で異端児でした。それでもそれを理解してくれる上司や得意先が出来、今も続く人との関係性の礎を築きました。 自身が本音で動き、それを受け入れて本音で返してくれる相手とは、年を経ても風化しない屈強な絆が生まれるのだと実感したものです。
ビジネスに身を置く環境は、自身の心持ち次第で黒くも白くもなり得ます。だからこそ、純な心と好奇心を持っている事。それが時として最大の強みになります。人は基本的には自分が一生懸命になって夢中になれるフィールドでしか勝つことは出来ないものです。そういった意味では弊社がこの尾州の地で時には試行錯誤しながらも生き残ってきたという勝利体験があるのは、一つの財産と言えるかもしれません。

いま社長として新人社員によく言う言葉は「間違っても良い。自分で出した答えを用意してから来い」という事です。もしビジネスに正解を求めるのならば「絶対的な確信を持てる己の意見」がそれです。本来それは己を信じられるだけの知識と経験値によって裏打ちされるものですが、経験の浅い人たちにもそれらを自分の手で必死に掴みにいってほしい。 生活する中で、或いは誰もが疑いもしない常識の中でも人に流されるのではなく本質を見極めようと絶えず自分に問うてほしい。それは必ず己の財産になります。
夏の光を蓄え厳しい冬に耐えて幾年も経た年輪のある木は、簡単には折れないものです。人も同じで、試練を与えてくれる人ほど自分にとって価値があります。どれだけ踏まれても挫けない「自分を信じられる力」をこれから長く続く社会生活の中で養い、その胸には勲章ではなく血や肉を蓄えて大きく育ってほしい。そしてこれは私自身が銘肝している事でもあります。一生涯を通して自己を鍛錬し、その成果として商売に還元していく。この絶え間無い循環の上に松希のさらなる上のステージがあり、夢中になれる未来があると確信しています。

激動の平成の時代を走り抜け、松希は創業70年を迎えました。「ビジネスは人により成立ち、人によって発展していく」という揺るぎないモットーを軸に、次の100年企業の松希に向けて、これまでに培った経験と豊かな人間力を武器に邁進して参ります。

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