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2025SS MILANO UNICA REPORT

今回もイタリア・ミラノで開催されるMILANO UNICA 25SSへ行ってきました。

飛行機が到着するマルペンサ空港はミラノから北西50kmほどの場所にあり、スイス国境からも近いのでさすがに寒いですが、ミラノに着くと日本とそこまで気温が変わらずアウターがなくても過ごせる日もありました。

イタリアも暖冬の傾向があるようで昨年のクリスマスは15℃近くまで気温が上がったようです。

街中は完全にコロナ禍を抜け出しドゥオモ周辺は観光客で賑わっておりショッピングなどを楽しんでいる光景が見られました。

UNICA会場も欧米からの来場者は多く、アジア圏も日本、韓国も徐々に戻りつつある印象ですが中国からがコロナ前に比べまだ少なく感じます。

 

まず生地のコスト・生産に関してですが、イタリアではエネルギー費、原料自体の高騰は落ち着き一年前に比べても安くなっているようですが円安/ユーロ高の影響で実際に買うとなると値上がりはやむを得ない状況です。

エネルギー供給も安定し松希が見たメーカーでは3~3.5か月で仕上げられるようになり通常通りに戻っていました。

ただ、英国ものはまだ生地値も上がり円安/ポンド高の為、さらに値上がりしており、納期もまだ4~4.5か月ほどかかり早めの企画が必要になりそうです。

 

25SSの打ち出しとして、シルク混のスーツ地が増えた印象です。

まだまだ強撚糸や太番手の糸を使ったハリコシのある英国クラシック、ヴィンテージ風なクオリティの提案はありますが徐々に落ち着きイタリアらしい柔らかく光沢のある素材が目につきます。

他にもリネン混のスーツ、ジャケット地の提案が多かったです。

当然夏の素材のため以前からコレクションに入っていましたが、コロナ中は制限されていたパーティーやバケーションがヨーロッパでは復活し今まで以上に豊富でした。

 

また、もう一つの流れとしてイタリアを中心にもう一度WOOL 100%をはじめとする天然繊維の素材の価値を見直されているようです。いっときは量販店を中心にポリエステル、ビスコース混のカジュアルセットアップ向けの生地が売れたようですが最近はWOOL 100%の素材の需要が再度高まっているようです。

カラーは全体的にトーンが明るくなり、特にトレンドだったベージュ、ブラウンはその傾向でこの2色だけでもカラーバリエーションが豊富になっています。

また、24AWからの流れでホワイト系も多くオフホワイトやアイボリー、エクリュといった、ホワイトの中でも様々なカラーが見られました。

日本ではなかなかリネン素材やベージュ、ブラウン、ホワイトのスーツ、ジャケットが浸透していくのは難しいですが、そういったトレンドや文化を浸透させていくのも松希の使命だと思っています。

毎シーズンイタリア、イギリスをはじめとするトレンドをどれだけ日本風に落とし込めるかを考えながら企画をしているので、バンチを見て頂く際は是非トレンドなどを感じ取りながらオーダーを楽しんで頂けたらなと思います。

 

Words: Shogo Makita