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2026AW MILANO UNICA REPORT
今回は7/8-10に開催されたイタリア・ミラノで開催された世界最大規模の生地展示会MILANO UNICAへ行ってきました。
7月に開催されるMILANO UNICAは次シーズンの秋冬物向けの展示会で、今回は2026年の秋冬物ということになります。
ミラノへ行く前の週はヨーロッパ各地で40℃越えのニュースを見ていたのでどうなることかと心配していましたが、この週は比較的涼しく多少我慢すればネクタイも締められスーツ、ジャケットを楽しめる気候でした。
到着した月曜日は夕方からFRATELLI TALLIA DI DELFINOのパーティがあり参加してきました。
メインは今年の秋冬から展開するメーカーバンチ“GENTLMAN‘S WARDROBE”の新作・INCANTO CASHMERE(JACKET) ・INCANTO CASHMERE OVERCOAT の2種類のお披露目です。ジャケットバンチは無地だけでなく柄物も豊富でいい生地を探されているお客様にはおススメしやすいレベルの高いバンチでした。各国から有名ブランドのデザイナーやテーラーが来場し賑わっており、FRATELLI TALLIA DI DELFINOに対する関心の高さが窺えます。
さて、今回のMILANO UNICAのテーマは“MILANO UNICA PERFORMING”です。
大きくは下の3つに分けられ、空間・身体・芸術を繋ぐコミュニケーションの手段、または出会う場所がファッションという考えです。
MILANO UNICAはWOOLを中心としたドレス系の生地だけでなく合繊系、コットンをはじめとするカジュアル素材やアクセサリーのブースもあり様々な表現が会場では見られます。
★PERFORMING SPACE
★PERFORMING BODIES
★PERFORMING ARTS
2026年秋冬ものの素材の傾向としては、まず高単価な生地を扱うメーカーは展開するコレクションの中でもSuper150’s以上であったりカシミア、シルクMIXまたは100%など高単価なクオリティに力を入れていました。
日本もそうであるようにヨーロッパをはじめ世界中でスーツが数多く売れる時代ではなくなり、先ほどのFRAYELLI TALLIA DI DELFINOのカシミアのバンチからもわかるように良いクオリティのものを求めるお客様は増えているようです。
また、スーツ、ジャケットなどドレスアイテムだけでなくカジュアルアイテムにも高単価な生地が使われるようになってきたそうです。原料がいいと風合いだけでなく染料もよく入り綺麗に染まるので見た目も非常に高見えし見るからにいいものだということが感じられます。
最近の松希のオーダーいただいた内容を見ていても高単価なものが増えているので日本もすでにそういった傾向にあるようです。
一方でイタリアメーカーからブリティッシュウールまたはブリティッシュウール風といった粗い原料を使用した目付のあるクラシックなボディもよく見受けられました。
まだまだ英国クラシックな着こなし、素材が根強い人気ですが英国ものの生地が高価なものとなりその代替用として要望されることも少なくないようです
次に印象に残ったのはドネガル風のネップが入った素材です。
素材感を楽しめセットアップとしてだけでなくジャケット、パンツそれぞれ単品使いもできるので活躍するシーンは多いかなと思います。ドネガルツイードというと少し野暮ったい印象をもちますがイタリアメーカーから提案されるものはそこまでざっくりしておらずライトウエイトでベースの色も明るめで今っぽいスモーキーな色もあったりと新鮮でした。
トレンドカラーとしてはバーガンディ系のバリエーションが目立ちました。
バーガンディをベースにパープル、ブラウン、ピンクといった同色系の色が入ったニュアンスカラーが多くこれもまた新鮮でした。バーガンディのスーツは難しいですがブラウン強めのバーガンディならスーツでも着やすいかなと思います。
ほかにはこの2025年秋冬に引き続きネイビーにグリーンを混ぜたティールグリーンも多くみられました。松希バンチの中にもこの夏いくつかティールグリーンの無地が入っていますが人気の色となっています。こちらのほうがネイビーに近いのでビジネスでも着やすいので日本でも取り入れやすいかもしれません。
今回は3日間の展示会を終えた後、イギリス・ハダースフィールドに移り26AWに向けてメーカーと商談と工場見学をしてきました。
イタリアメーカーの工場とはまた雰囲気が違い、レンガ造りで古く非常に歴史を感じる建物でした。デザイナールームには各メゾン系ブランドが発注したすごい量の生地がイメージボードに貼ってありクラシックなドレス目線とはまた違う色柄、クオリティだったのでおもしろかったですし、勉強になりました。
どこのメーカーもウニカが終わった次の週から来季(27SS)の企画を進めていくそうで、私たちは現在25SSを販売しつつ25AWのバンチブックの納品をしながら、先日26SSの発注を終え、ウニカは26AW向けなのでたまにいつ向けの生地の話なのか分からなくなる時があります。(笑)
頭を整理しながらチーム松希は来季に向けまた一段とワクワクする生地をご提案できるようインポート、国産をはじめ様々な生地を企画していきたいと思います。
もうすぐ25AWのバンチブックをお送りできるので楽しみにお待ちください。
Words: Shogo Makita