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2024S/S PITTI UOMO 104 REPORT
PITTI IMMAGINE UOMO104 For 24 SPRING / SUMMER
~PITTI GAMES~
イタリアのフィレンツェにて開催されたPITTI UOMO 104 (2024春夏シーズン向け)へ行って参りました。テーマはPITTI GAMESです。発注の場というよりもショーの要素が強まっている現状もあり、遊び心溢れる提案やコレクションが目立ちました。
来場者はおよそ1万2千人、出展社は825社にのぼったそうです。コロナ明けの直後であった昨年のPITTIと比べると2割ほどの増加で、非常に盛り上がりのある展示会になっておりました。
LARDINI等いくつかの主要ドレスメーカーが出店を見送るようになり、<クラシックなスーツスタイル>はPITTIでの露出が減っているのが現状です。メーカーの方と話しをすると、スーツを着る機会は日本と同じくヨーロッパでも減少しているが、それでも一番求められているのは<クラシックなスーツ>だそうです。PITTIではコレクションショーとして成り立つように、大きな変化のないスーツスタイルよりもトレンド感のある打ち出しを意識的にしているようです。
今回感じたポイントはずばりホワイト、リネン、テーラリングカジュアルの3つです。
カラーで目立っていたのはホワイト〜ライトベージュ、ライトグレーのグラデーションです。その他ではネイビー×ホワイトの提案も多かったです。差し色としては淡いグリーンやピンク、ホリゾンブルーが特に目立っていました。綺麗な色の打ち出しが増加していることも注目すべき点です。ホワイト系のパンツは同トーンのセットアップとしても、綺麗な色のジャケットやニットとも合わせられるので簡単に取り入れられる重要なアイテムになりそうです。
素材としてはリネンの打ち出しが数シーズン続いている中で、全盛期間近?と感じるほど各ブランドで提案されていました。リネンに限らず夏らしい涼しげな素材感のある生地は24SSシーズンの素材傾向であり、リネン100%ではなくてもリネン混やコットン混、生地組織で表面感を出したものなどはコーディネートの幅を広げてくれそうです。素材感という点ではシアサッカーの提案も今回増えていました。ポリエステル系のイージーケアや機能性素材の注目度が高まる昨今ですが、今回のPITTIは上質な天然繊維の素晴らしさを再認識でるようなコレクション展開でした。
アイテムとしてはジャケットとシャツの間をとったような軽い仕立てのブルゾンやシャツジャケットとクラス感のあるテーラードパンツのセットアップという提案が目立っていました。<カジュアルの提案>というよりは<ドレススタイルとしてのカジュアルダウンした提案>という感覚のほうが近いと思います。こういったアイテムは上質な素材と立体感のある仕立てがポイントになりそうです。クラシックなスーツやジャケパンスタイルに加えて、モダンなセットアップも今後は定番の一つになっていくのかもしれません。
その他にはセレモニーの提案も目立っていました。特にヨーロッパやアメリカでの需要がかなり伸びてきているようで、世界の<お出掛けマインド>はとても高まっているようです。リモートミーティングやワークが確立したからこそ、対面でのコミュニケーションの重要性も再認識出来たのかなと思います。今回はPITTIの他にもビエラやイギリスへ行き生地メーカーと商談をしてきたのですが、私もそれを強く感じました。
MATSUKIの24SSコレクションは、ビジネスの勝負服に相応しい素晴らしい生地だけではなく、今回のトレンドも踏まえた遊び心のある生地もたくさん揃えています。来シーズンはビジネスウェアだけではなく、セレモニーやお洒落な休日着としての上質なアイテムを仕立ててみては如何でしょうか?生地選びがワクワクするようなバンチコレクションをお届けできるようにこれからも努めて参ります。24SSシーズンを楽しみにお待ちください。
Words: Takuya Ito